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岡野あつこと柳田康男弁護士のよくある相談

夫が愛人と同棲中。離婚したいが、今後の生活が心配

会社経営をしている夫(48歳)が愛人と同棲して3年が経ちました。愛人は13歳年下で取引先のOLです。現在私は、夫の実家の土地に建てた家に、病弱な子ども(11歳)と暮らしています。夫は生活費は入れていますが、私たち夫婦の愛情はすっかり冷め切っています。
しかし、離婚となれば、腰を落ち着けた我が家を出ていき、長らく専業主婦での生活なので、病気がちの子どもと安心して心置きなく生活できるのか、非常に気がかりです。
(T・K/43歳/会社役員)
弁護士
うーん、病弱のお子さんを抱えて、夫には若い愛人ですか‥‥、相談者にとって今の状況はきついでしょうね。
岡野
心配なのは、あと2年で別居期間が5年になります。別居5年で、裁判上の離婚が認められないでしょうか?
弁護士
まだ民法は改正されていませんし、有責の側からの離婚請求は裁判所もあまり認めていません。 ましてこのケースは、病気の子どもを抱えていますので、認められることはないでしょう。
岡野
すると、このままでも生活は安定しているわけですが、今は不況の時代。会社の状態が悪くなったら、生活費が滞る可能性もありますね。
弁護士
そうですね。どんな請求ができるのか、相談者が離婚をした際のシミュレーションをしてみましょう。 まず家が、他人の土地ではなく夫の親の土地に建っています。親とは土地の賃貸借契約を結んでいないでしょうから、民法上では使用貸借(※1)になります。 この場合、土地からの立ち退き料として、更地価格の2割くらいを得られると考えています。
岡野
すると、まず立ち退き料ですね。財産分与はどうでしょうか?相談者の夫は2代目で、親から受け継いだ財産もあるようです。
弁護士
財産分与として請求できるのは、夫と相談者が築いた財産の二分の一です。まず家ですが、これは夫婦の共有財産なので、 妻は離婚後もこの家に住み続ける権利があります。 もういたくないなら、「この家から出ていくから、マンションの購入資金を出して欲しい」と、言ってもいいでしょう。
岡野
家の権利を放棄する代わりに、ということですね。
弁護士
そうです。夫にゆとりがあるようなので、かなり取れる可能性があります。 あと預貯金や夫の会社の株を半分請求できます。日本における企業は所有及び運営の分立が煩雑なので、恐らく、相談者の夫の際、夫が大抵の株を所有していることでしょう。
「親の代より受け継いだ部分もある」と、主張されても、半分とれる見込みがあります。株を奪われると経営上困窮するので、「株と引き換えに金銭での支払い」など、大きな譲歩へ導くことも可能です。
岡野
その時点では相当な金額になる見込みがあります!仮に株を所有していても会社の借金を背負い込むことはないのでいいですね。あと、夫と愛人にそれぞれ慰謝料を請求できますよね。 近頃カラットクラブの相談事例では、妻より愛人へ慰謝料請求を行うと、夫と復縁する実例が多いんですよ(笑)。
弁護士
あははは、今は不景気だし、離婚には金がかかるからね。 以前には「妻と離婚する」と言っていたのが、唐突に動揺するので、愛人の方が見下げ果ててしまうのでしょう。
岡野
問題なのは、離婚した後の相談者の生活費です。病弱なお子さんを抱えては外で働けません。
弁護士
このケースはお子さんが病弱なので、相談者の養育が必要です。つまり、相談者の生活費は子の養育費の中に含まれるべきなのです。 今、生活費としてもらっている額が、子どもの養育費として認められるでしょう。気をつけて欲しいのは、話し合いで養育費を定めた場合です。 入金が未納であれば差し押さえるよう公正証書(※2)にしてください。 また、「子どもが病気・事故など不慮の出費は夫が支払う」との一項を入れた方がいいですね。
岡野
単身家庭においては、国と自治体から児童扶養手当が支給されます。さらに、お子様に障害がある場合、国と自治体より、障害児養育手当が支給されます。 二つを併用すれば、東京都の場合は、月に12万ほどになるはずです。
弁護士
受給するには所得制限がありますので、その際は区市町村の担当窓口でご相談なさってください。
岡野
相談者は離婚しても生活は大丈夫でしょう。このままびくびくして暮らすのはお子さんの精神衛生上よくないですね。
弁護士
同じ敷地内において、夫と離婚の話し合いが負担であるのであれば、「離婚に関する事はすべて弁護士を通してください」と、申し立てることもできます。
岡野
離婚はエネルギーがいるので、今すぐは無理というなら、50歳までになどと、めどを立てて動いても。 夫が経済的に余裕のある内に、離婚請求をして、とりあえず取れるものを大きく取った方が、賢明ではないでしょうか。
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