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岡野あつこと柳田康男弁護士のよくある相談

夫に中絶を強要されて「不安神経症」に

結婚して10ヶ月。別居して現在実家にいます。夫は再婚で連れ子が2人います。結婚3ヶ月目に妊娠しましたが、「2人の子を育てる方が先だ」と高圧的に言われ、中絶を強要されました。 以来、夫への不信感がつのり心身共に参ってしまい、現在「不安神経症」で治療中です。
離婚したいのですが、夫から「婚約から結婚式、再婚のために購入した家の費用を払え」と言われました。夫が友人の弁護士に聞いたところでは、 私の方が8対2くらいで悪いと言われたようです。離婚するには、先の費用を払わなければなりませんか? 購入した家(現在も夫が居住中)のリフォーム代を600万円出したのですが、それはもう返ってこないのでしょうか?
(仮名 長田洋子/42歳/主婦)

◆相談者は特に悪くない

岡野
この人は夫に、中絶から支払いまでいろいろ言われて、だいぶ参っているようですが・・・。
弁護士
うーん、相談者には特に落ち度はないし、「おまえが悪い」と言われて不安を感じているようですが、どう考えても8対2で悪いということはないですね。
岡野
でもね弁護士先生、夫の側にも言い分はあると思うんですよ。夫としては彼女も二人の子も大切だと思うんです。 結婚して数ヶ月目の妊娠では、やはり元々いる子に対する影響があるじゃないですか。 「夫の出方が高圧的」とありますが、夫にすれば、「まず、2人の子と慣れてほしい。それから」という思いがあったのでは。
弁護士
だからといって妻の言い分を聞かず、妊娠に関しては夫にも責任があるのに、「2人の子を育てる方が先決」と中絶させるのは、本人の意思を無視した不合理なものですよ。 妻が望まないことを押しつける権利は夫にはないのですから。
岡野
うーん。どうもこの相談者は、結婚前から夫に対して、意思表示ができていないようですね。ずっと夫に言われるまま引きずられてきたのでしょうか? 今回もあれこれ言われて言い返せず、悩むまま精神的に落ち込んでいるようです。
弁護士
結婚前に子どものことを含めて、きちんと話し合いがなされなかったことが問題でしょう。
岡野
女性の場合、相手に連れ子がいての再婚は相当な覚悟が必要なんですよ。 相手のことを余程信頼して結婚するか、相手が強引で結婚まで押し切られてしまったのかどちらかですね。 まだ10ヶ月でしょ、どういう気持ちで結婚したのか、もう一度振り返ってほしいですね。

◆離婚は充分認められる

弁護士
そうですね。このケースは、中絶も含めて夫とのこれまでの関係に悩み、神経症にまで至ったのですから、 民法770条の離婚原因「婚姻を継続しがたい重大な事由がある」に該当し、離婚は認められると思いますよ。
岡野
そうすると、支払えと言われている結婚費用とリフォーム代が問題ですね。
弁護士
離婚する場合は、何かを支払わなければいけないということはありません。 請求されている婚約・結婚式の費用ですが、これもその時点で両者が納得して支出したもの。 結婚詐欺などの事情がない限り、どちらか一方が婚約・結婚式費用を請求するということは認められません。
また購入した家やリフォーム代ですが、不動産は価値が残るもの。夫がこのまま家に居住するのであれば、 現存する価値に相当する金額を、相談者はリフォーム代として、夫に請求することができます。
岡野
でも夫には夫の言い分があって、「2人の子どものことを最優先に考え、お互い十分話し合った上、 自分もこの結婚のために相当な負担(頭金・ローンなど)を負ったとか、相談者の主張とは対立したことを言いかねませんね。
弁護士
相当強硬に主張しそうですね。
岡野
そうすると相談者はまず、精神が不安定などと言っている場合ではなく、気持ちをしっかり持つことです。病は気からといいますから。 もし夫に強引に押し切られた形で結婚したのなら、最初から無理があるし、早めに方向修正(例えば離婚)をした方がいいでしょう。
弁護士
そう思います。夫の傍若無人な態度にまず打ち克つ!
そんな気持ちが必要でしょう。
岡野
600万円のリフォーム代を返して欲しいのなら、この相談者ひとりでは、まず、夫に言い負かされてしまうので、自分が有利になるよう弁護士に依頼することですね。
弁護士
あとですね、中絶を強要したり、連れ子の面倒を否応なくみさせようとする夫の高圧的な態度が、彼女の精神をまいらせ、離婚を招く大きな原因となっていますから、 夫に慰謝料を請求できる可能性もあります。お互いに弁護士を付けて慰謝料、財産分与の話し合いをお勧めします。
岡野
その時には、「この10ヶ月間私は一生懸命やった」ということと、「これこれの理由で離婚原因は夫にある」と、はっきり主張することです。 努力を惜しまないで立ち向かうことが、いい結果になって返ってきますからがんばってください。
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