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Vol.10 『結婚生活破綻の原因は、夫の暴力と私の不倫』(「蘇る」より)
現在離婚協議中です。原因は私の不倫ですが、その前に夫の暴力があります。夫には愛情を感じられず、仕事先で優しくされた人と関係を持ってしまいました。夫の知るところとなり、離婚と慰謝料を請求され、しかも「子どもの親権は渡さない」と言われています。
不倫をしたので慰謝料は払うつもりです。でも、夫の暴力も結婚生活の破綻原因です。夫も私に慰謝料を払う義務はないのでしょうか?
またあんな暴力を振るう人間に子どもは渡したくありません。夫の人間性の問題を主張すれば、有責配偶者の私でも親権者となれるでしょうか?
教えてください。
(仮名 清水美和子/41歳/会社員)

<岡野あつこのメンタルアドバイス>
離婚に至る原因はほんとにさまざまです。夫は妻が浮気をしたせいと主張するでしょうし、あなたは夫の暴力が原因で、夫婦関係はもう壊れていたと言うでしょう。
夫から離婚と慰謝料請求をされているようですが、「夫の暴力」という理由で、逆にこちらから調停を掛けてみたらどうでしょう?
たぶんその中で、夫の側から「あなたの不貞行為」について、何らかを言ってくるでしょう。でも、ここまできたら、「払うものは払う」「もらうものはもらう」という覚悟を決めて、ひるまず調停に臨んでください。大切なことは、調停委員に自分の気持ちをきちんと述べることです。その際、あなたをいい意味で理解してもらえるよう心掛けて話してください。
つまり、夫の暴力にこの先も怯えながら生きていくのでは、自分たち母子の幸せはありえない、「例え父親がいなくとも、子どもと一緒にのびのびと明るい家庭を築いていきたい、築いていけます」と、はっきり述べることです。
不貞については、夫の暴力によってのこととはいえ、夫や子どもにつらい思いをさせ、悪かったと、反省の気持ちを伝えましょう。そして、ここにいたるまでの夫婦の実態、あなたの胸のうち、また母親としてどう生きてきたかを、第三者にわかるよう話してください。そうすれば、調停委員もあなたとお子さんが暮らすことが一番幸せになれると判断し、良いアドバイスをしてくれるでしょう。

<弁護士の法律で解決!>
「完全に夫婦関係が破綻した後の不貞行為は慰謝料の対象にならない」という判例があります。そこで、あなたの不倫を考えてみますと、完全に夫婦関係が破綻(長年別居などの状況が必要)したとは言えない状況下で起こっています。残念ながらあなたの場合は、このケースには当たりません。
次に、夫の暴力が先にあったことが不貞行為による慰謝料を減額し、又は帳消しにするかですが、法律は不法行為による損害賠償を相殺することは認めていませんので、これもできません。
しかし、夫の側も同じことが言えます。なぜなら、夫はあなたに暴力を振るったことについて、慰謝料を支払う義務を負います。後にあなたが不貞行為に及んだからといって、それは帳消しにはならないのです。
ややこしい話ですが、あちらの請求とは別に、夫の暴力を理由にこちらも請求をたてることは可能なのです。訴訟になった場合は、各々別立ての裁判を起こす必要がありますが、調停や、互いの話し合いの中では相殺することも事実上は行っています。
また、親権は子どもを中心に考えますので、夫の暴力が子どもに及んでいないか、あなたが家庭をおろそかにしていないかなどで判断されます。子どもの年齢によっては、その意志ももちろん尊重されます。有責配偶者は親権者になれないなどということはないので、ご安心ください。
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