岡野あつこと柳田康男弁護士のよくある相談

リストラにあった夫

お子さんの中学受験を控えた美砂子さん(41歳)は、知人の紹介で今のご主人雄樹さん(43歳)と15年前にお見合い結婚をしました。 
雄樹さんは、その当時のいわゆる「三高」(高学歴・高収入・高身長)で、ご両親は大賛成友達には大いに羨ましがられたそうです。 

結婚後も、夫は「エリート街道まっしぐら・・・」と言った感じで、憧れの海外勤務も経験し、2人の子どもたちもバイリンガルとなりました。 
「本当に幸せでした。人生バラ色と言う感じ・・・」 
「誰かに自慢したくなるような理想的な家族」という彼女ですが、実は、こうした間にこそしっかりと夫婦の絆を深める必要があったのです。 

そして、運命のその日を迎えます。 
人生で一度もつまずいたことのない夫の雄樹さんに、突然突きつけられたのが『リストラ』という残酷なカードだったのです。 
当然のことながら、夫はパニック状態で妻に報告しました。 
書面では、子会社の社長とはなっていますが、その会社は翌年につぶされる予定になっていて、給料も今までの半分に減る・・・と聞いて、今度は妻の方が、動転してしまい、パニック状態に陥りました。 

バラ色の人生だったのが、突然の転落となり、どう受け入れたらいいのか混乱するばかりでした。子どもたちの将来、私のこれからの生活はどうなってしまうんだろう・・・?! 
妻は自分たち家族のこれからを心配するあまり、 
「あなたの状況のせいで家族が全滅するかもしれない」などと過激な言葉で夫を追い詰めてしまいました。 

その上、まだ小学生の子どもたち(4年生と6年生)を交えてこれからのことを話し合おうという夫の提案を断固拒否して、その日は1日中子どもたちを連れ歩きました。 
「なぜ、うちの恥を子どもに教える必要があるのでしょう」と美砂子さんは言います。 

その日の遅くに子どもたちを連れて帰ると、雄樹さんは 
「いつまでもそんなことばかりしているのなら、離婚した方がよさそうだね」 
と言い放ちました。 
その言葉を受けて妻は、そんな卑怯なことを言い出す夫を許せず、軽蔑する気持ちがこみ上げてきた、というのです。 

「離婚をちらつかせながら、生活の一部を背負わせようとする夫が許せない。 
給料が下がるのだったら、自分の親に頭を下げて不足分を出してもらえばいい。 
そんなこともできなくて、私に押し付けるなんて!」と感情は高ぶるばかりです。 
でも、家計が減ることは、妻にとっても他人事ではないはずですね。 
押し付けられていると考えるのは、随分と虫のいい話に思われました。 

「エリートでもなく、高収入でもなくなった夫から離婚を言い渡されるなんて! 
そんな恥さらしなことを強要されるなんて! 
なぜ私がこんな残酷な目に遭わなければならないのでしょう?」 
とため息をつくばかり・・・です。 

夫婦ともに家族のことを考えているのは間違いないようです。 
ただ、突然のアクシデントに2人ともが動揺してしまい、お互いに自分の都合を押し付け合うばかりになっています。 
ここは冷静になって、今後の家族のあり方などを真剣に話し合えば、十分に修復できるはずです。

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