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法律知識

2. 慰謝料

(1)慰謝料の平均額と請求有効期限

慰謝料とは、精神的苦痛をお金に換算して支払われるものです。どれ程辛い思いをしたとしても、相手の収入・結婚期間・子供の有無なども考慮されるので、必ずしも高額の慰謝料を貰えることはないのです。
実際の平均額は下表のようになりますが、これよりも高額や0円という人も決して珍しくありません。右表は、婚姻期間別の財産分与・慰謝料平均支払額です。

平成11年度 離婚に関する統計(人口動態統計特殊報告)
第29表 婚姻期間別財産分与・慰謝料支払額,年次別-昭和50・55・60・平成2・7・10年-

年次 「離婚」の調停成立・24条審判のあったもの 婚姻期間別平均支払額 1) 2)(万円)
うち財産分与・慰謝料の取り決めのあるもの 総数 5年
未満
5年
以上
10年
以上
15年
以上
20年
以上
1975 昭和50年 100 55.5 140.8 78.3 143.7 190.4 230.4 278.9
1980  55年 100 55.8 216.1 116.3 209.9 271.6 323.8 355.4
1985 60年 100 53.2 336.7 157.8 275.5 387.5 503.1 616.4
1990 平成 2年 100 56.3 413.9 200.7 340.4 496.2 625.9 721.2
1995 7年 100 56 405.2 191.4 337.9 434.7 612.2 727.6
1998 10年 100 56.9 380.2 193..1 304.3 438 534.9 699.1
注:1) 平均額は、「総額が決まらない」を除き、次の階級区分によって算出した。
( )内は階級の代表値。 30万円以下(15)、50万円以下(40)、100万円以下(75)、200万円以下(150)、400万円以下(300)、400万円を超える(600、昭和50・55年)、600万円以下(500)、 1000万円以下(800)、1000万円を超える(1500)。
2) 昭和60年は、支払額調査の階級区分変更。
資料: 最高裁判所事務総局「司法統計年報」

上の表は財産分与を含めた平均額です。慰謝料そのものの算定方法は、(2)を参考にして下さい。とはいえ、慰謝料の額は全くケースバイケースです。弁護士に事情を説明して決定して貰うのが得策です。
いったん離婚届を提出した後でも、慰謝料は請求できますが三年で時効になります。
例えば、離婚時相手に支払い能力がなく慰謝料が貰えなかったとしても、時効期間内に相手に財産ができていれば請求することができます。 財産分与と同様、慰謝料に税金はかかりません。

(2)離婚原因慰謝料の算定

離婚原因となる事実から受ける苦痛にたいする慰謝料を、離婚原因慰謝料といいます。離婚原因慰謝料の対象となるのは、「離婚を求める事由」(民法770条)を基準に考えられています。

<不貞:100万~500万円以下>
不貞回数、不貞期間、不貞の相手方が妊娠、不貞に至った経緯、不貞を働いた相手より性病をうつされた、精神的苦痛(心労による流産、自殺未遂、ノイローゼなど)を考慮の上、基準額120万円に増額されます。

<悪意の遺棄:50万~300万以下>
基準額を100万円として、以下の事由を考慮して増減されます。同居義務違反(別居期間、別居に至った経緯、別居状態解消の努力や精神的苦痛)、
協力・扶養義務違反(生活費を入れない、借金などの経済的責任の放棄)

<精神的虐待・暴力:50万~500万円以下>
精神的虐待・暴力の状態、それに至った経緯、継続性、回数、それによる苦痛の程度、怪我や障害・後遺症の程度などを考慮して決めます。

(3)離婚自体慰謝料

離婚自体慰謝料とは、離婚自体から生じる苦痛より支払われるものです。離婚自体慰謝料は、次のような要素を考慮して金額が決定されます。

◇相手の年収 職業、社会的地位、資産、負債
◇実質的婚姻年数 婚姻年数が長いほど数字は大きくなります。慰謝料請求者の年齢や、再婚の可能性、自活能力、経歴なども考慮の対象になります。
◇有責度 相手が悪いとき、不貞や悪意の遺棄の回数・期間、請求する側の夫婦関係をよくしようという努力、双方の協力度(生活費・事業・家事の分担など)が考慮されます。
◇調整係数 今後の自活の困難性、それぞれの事情が考慮されて決まります。しかし、離婚自体「慰謝料」としてではなく、扶養的「財産分与」として支払われる可能性もあります。

(4)慰謝料の支払方法

慰謝料は金銭での支払いが一般的ですが、不動産や株券で支払われる場合もあります。
また、できれば一括で支払って貰うのがいいでしょう。支払う側の都合で、分割となると、途中で支払が滞ったり、相手が死亡するなど様々な問題が予想されるからです。
特に、協議離婚の場合は注意が必要です。口約束などもっての他です。
「分割金を一度でも支払わなかった場合、残金を一括して支払うとともに強制執行を受けても異議ありません」という文章を添えた「強制執行認諾約款付公正証書」を公証人役場で作成して下さい。 これがないと、裁判を起こさなければならなくなります。裁判には、手間や費用、そして時間もかかるので、諦めてしまえば泣き寝入りすることになってしまいます。
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