岡野あつこの離婚相談救急隊®︎

調停が不調に終わり裁判に・・・。でも、世間体が悪いのではと心配です。

30代の女性からのご相談でした。



事の経緯はこうです。



私(相談者)自身の不貞行為からの離婚問題。

結婚して8年、女として扱ってくれなくなった夫に不満をもっていたこともあり、出会い系サイトで知り合った年下の男性と何度か浮気をした。

数ヶ月後、そのことを夫が知ることになり、「離婚しかない」と言われたが、子供が小学生だったので「途中で名前が変わるのはかわいそうだから」と、何とか押しとどめ、離婚騒動は収まったと思っていた。

しかし、子供が小学校を卒業したその日に「子供にとってもいい機会だから別れよう」と離婚調停をおこされ、不貞行為が原因ということで、500万円の慰謝料請求をされた。

500万円という金額を支払うのが厳しく、また、不貞行為をしたとはいえ私にも「言い分がある」ということで不調になった。

次は裁判ということだが、『裁判』は全くわからないので怖いという感覚でしかなく、職場に知れたら信用をなくさないか、裁判を起こされた母親の子供ということで、子供がいじめられないかなど考えると不安でたまらない。何とか世間体を保つ方法はないか。というものでした。



夫にとって、相談者の浮気が本当に許せないほどの怒りなら、お子さんが小学校を卒業するまで待てないものです。

では、そこまで夫が待ってくれたのはなぜでしょうか?

それは、一重に、お子さんを大切に思っているからにほかならないのではないと思います。

相談者の話では、慰謝料を払うのが厳しかったため調停が不調になったとのことですが、はたしてそれだけでしょうか。離婚の時、根底にあるのはお金のことではなく、感情、気持ちです。夫の本当の気持ちは、きちんと謝って、子供のためにも反省してほしかったのではないでしょうか。もしかすると、調停での相談者の態度が、子供の為と思って抑えていた怒りが抑えきれなくなったのかもしれません。



このケースだけでなく、不倫が原因の離婚の場合、慰謝料の請求額は下げられることも見込んで、高めに設定してくる人が多いです。そこには、持って行き場のない気持ちがふくまれているのです。

今回も、夫が提示した金額は“取れる”と考えたものというより、自分の悔しいという感情と、相談者の反省を促すための金額だと推測できます。

調停に臨むに際し、「言い分がある」という姿勢で、「女性として扱ってくれなくなった」と、不倫の原因を夫にあるとするのは、夫の気持ちを逆なでしこそすれ、慰謝料を下げて調停成立になることにはならないのです。



相談内容からは、

裁判にかけられる、という世間体、職場の信用、子供がいじめられたら、

など、うわべだけの心配ばかりしている姿しか見えないのですが・・・。



今一番にすべきことは何なのか。



自分の軽率な行動に責任を取る気持ちを持って、子供につらい思いをさせることに対する謝罪を夫ではなく、子どもに「本当にごめんなさい」と伝えることなのではないでしょうか。



夫には謝りたくない気持ちはわかります。だからこそ、子どもに謝る。そうして、お子さんにつらい思いをさせた謝罪の気持ちを弁護士から夫に伝えてもらうだけで夫の気持ちは少しは和らぎ変化するのではないでしょうか。



揉め続ける離婚は、子どもの情緒や将来にとって決して良いことではありません。

世間体や信用などより、最優先に考えなければいけない事をもう一度見直してみることが大切なのではないかと思います。


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