| 弁護士 |
波風立てずに離婚したい!?
まったく何を考えているんだか、しょうがない人だ。 |
| 岡野 |
妻の実家から援助を受けるだけ受けているのに、感謝の言葉すら言わないで、陰では「恩着せがましく言われて嫌気がさした」なんて、ずうずうしいにもほどがあります! |
| 弁護士 |
妻の実家で働く立場なら、そもそも公私のけじめをつけるべき。奥さんの実家の援助を受けるのが嫌なら、きっぱりと断るべきですよ。妻の実家に甘えておんぶに抱っこをしているくせに、「恩着せがましい」なんて、苦労したことがないから、言えるセリフです。 |
| 岡野 |
自宅も自分名義にしてもらってのんきに生きてきたからでしょう。そうそう、この人は養子ではないので、妻は彼の姓を名乗っているんです。夫としてちゃんと立ててもらっていることをわかっていないんですよ。 |
| 弁護士 |
なんだかずるい男だなぁ。妻の態度に嫌気がさしている時に、たまたま女性と出会い、恋に落ちてという、まぁ、不倫の典型的なパターンですね。 |
| 岡野 |
「仕事も家も失う」とありますが、大切な子どもも失いかねないのに、それには一言もふれていない。まったくこの人は色ボケ状態ですね。弁護士先生、男の人って、こんなに色ボケになるの? |
| 弁護士 |
いやあ、まぁ、けっこうなりますかね(苦笑)。とにかく、この人は最終的な事態を考えるべきです。離婚すれば家や仕事どころか社会的信用も失いますよ。それどころか、妻と離婚調停になれば慰謝料を請求されるでしょう。すべてを失った上に、さらに追い銭ですね。妻が弁護士を立てたとしたら、相談者はそれこそ無一文になりますよ。 |
| 岡野 |
そもそもこの離婚は、妻が離婚しないと言い張ったらできませんよね。 |
| 弁護士 |
そうです。離婚するもしないも、奥さんがキャスティングボードを握っている。女性の存在を隠して、波風立てずに別れようと思っても、男はほんと、嘘をつくのが下手だからなぁ・・・。女がいるのを隠して「性格の不一致で別れたい」と言っても、まったく説得力がない。以前にも同様なケースを扱いましたが、どうも離婚理由がはっきりしない。よくよく聞いてみると、やっぱり女がいた(笑)。まぁ、女のことは、隠し通せないでしょうね。 |
| 岡野 |
私のこれまでの経験では、別の女がいないのに離婚したがる男はまずいません。たまにいるけど、「妻が暴力を振るうので別れたい」とか、特殊な場合ですね(笑)。 |
| 弁護士 |
あはは、それはおかしい。でも、男はそうかもしれないなぁ。 |
| 岡野 |
ところで離婚の際、「これまで会社役員として貢献したから、会社の株をよこせ」とか、言えないんですか? |
| 弁護士 |
昭和61年の大阪の判決ですが・・・。歯科医師の国家試験に合格するまで、妻の父親から経済的援助を受けていた夫が、合格した途端、妻を捨てて他の女性に走ったんです。父親はそれを忘恩行為とし、夫に贈与の撤回を求めて訴えを起こしました。これに対し裁判所は、「信義則に基づき、今までに得た利益を返せ」と父の訴えを容認しました。この判決からわかる通り、相談者は家はもちろんのこと、「これまでの役員賞与をすべて返せ!」と言われかねません。 |
| 岡野 |
ひゃー怖い!その上、父親としても当然養育費を払わなくちゃなりませんよね。 |
| 弁護士 |
もし払わなければ、給料差し押さえができます。離婚調停で養育費の取り決めをしていたとしたら、調停調書は執行文になりますので、他の職に就いて給料をもらう立場になれば、妻はその給料を差し押さえることができます。 |
| 岡野 |
給料差し押さえってどの程度の額なんですか? |
| 弁護士 |
給料の額面が、28万円に達するまではその4分の1です。28万ならつまり七万円ですね。28万を超えたら、その超えた金額が差し押さえの対象になります。仮に給料の額面が50万円とすると、7万円と22万円で29万円です。額面50万円だから、手取りにすると38万ぐらいですか・・・、38引く29で、手元に残るのは9万円ぐらいかな。 |
| 岡野 |
それはずいぶん厳しいですね! |
| 弁護士 |
そうですよ。それでも離婚したいというなら、引き止めはしませんけどね・・・。 |
| 岡野 |
ただ、こういうケースは仮に離婚できたとしても、たいがいその後うまくいく可能性は低いでしょうね。自分本位になりすぎると、手痛いしっぺ返しに遭いかねませんよ。 |
| 弁護士 |
全てを失う可能性が高いですね。これを読んで、ゆっくり結論を考えてください。 |
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