| 弁護士 |
困った人だなぁ、請求できるに決まっているじゃないですか(笑)。 |
| 岡野 |
この夫婦は完全に妻がリードしていますね。夫は、赴任先についてきてほしいけど、「ついてこい」と言えない。妻の方では、どんどん自分がしたいようにしている。離婚も妻が主導権を握っていますね。 |
| 弁護士 |
これまで、有責配偶者から離婚請求はできなかったのですが、「五年以上の別居で離婚は許される」という民法改正試案が出てから、有責配偶者からでも離婚請求が認められるという話が一人歩きをしています。しかし、まだ改正されていないので、今回のように不貞行為をした妻から離婚請求を申し立てても、こちらが「そんなことは許さない」と突っ張れば、裁判所もそう簡単には認めません。 |
| 岡野 |
なるほど。 |
| 弁護士 |
それどころかこちらから、妻の不貞行為に対して離婚および慰謝料請求の訴えを起こして、同時に妻側の離婚請求に対して棄却を求めればいいんです。「離婚請求?家財道具を寄こせだと?その言葉を返してやる。そっちこそ慰謝料寄こせ!」って言ってやるべきですよ(笑)。 |
| 岡野 |
離婚裁判で優位に立つということですね。 |
| 弁護士 |
もし、まだ妻と別れたくないなら、その後で「許してやる」と言って、起こした訴えを取り下げればいいんです。その時は社長から慰謝料をしっかり取る。このぐらいぴしっとやらなくちゃ。 |
| 岡野 |
ところで、先生に聞きたいのですが、このケース、裁判では単身赴任イコール別居と考えられませんか? つまり妻の浮気は夫婦関係が破綻した後だから、問題がないとみなされないのですか? |
| 弁護士 |
例えば、赴任する前に「おまえと別れる」などの大喧嘩をして赴任したなら別居と見られる可能性もありますが、単身赴任そのものは、即別居とはみなされません。 |
| 岡野 |
あと、妻は社長との関係を認めていますが、相談者が社長に慰謝料を請求するには、二人の関係を示す証拠があった方がいいですよね。 |
| 弁護士 |
妻が話した二人の付き合いに関することは、いつ、どんなことを、どういう状況で話したのかなど記録しておいた方がいいですね。 |
| 岡野 |
妻の訴えで気になるのは、セックスレスを離婚事由にしていることです。 |
| 弁護士 |
セックスレスは、アメリカなら離婚事由でしょうが、日本の裁判所がセックスレスを理由に離婚を認めることはないですね。妻がセックスを要求して、その度に断るなど、その回数や期間が何年も続くといった場合は、婚姻関係の破綻が問題になりますが・・・。ただし、性的不能は婚姻を継続しがたい重大事由ということで、離婚請求できます。 |
| 岡野 |
すると、もし相談者がED(勃起障害)なら、妻から離婚の申し立てと慰謝料請求ができるのでは? |
| 弁護士 |
うーん。相談者はセックスができないとは言ってないし、48歳でしょ。一般に、もう、そんなにセックスはしないんじゃないですか(苦笑)。 |
| 岡野 |
妻が誘ったのに応じなかったのは、相談者は性的に自信がなかったのでしょうか? 妻の性格からいって、夫がEDだと主張する可能性もありますね。その際は疑われないよう対抗手段として、「自分は性的不能ではない」と、病院ではっきり診断してもらった方がいいですね。 |
| 弁護士 |
妻がそこまで主張するのかどうかはわかりませんけど・・・笑)。相談者は二人の関係を終わらせたかったら、社長の家庭を巻き込んだ方がいいですね。まず社長に「妻との浮気を奥さんに話す」って言えばいいんですよ。その際、「ばらされたくなかったら、金払え」なんて言ってはだめ。脅迫になるから(笑)。 |
| 岡野 |
社長も自分の妻が恐いと浮気をやめるわけですね。そうすると、社長の妻から相談者の妻に慰謝料請求される可能性もあるのでは? |
| 弁護士 |
そうです。その際、相談者の妻は社長の妻に慰謝料を払わなくてはなりません。 |
| 岡野 |
うーん。相談者は社長に慰謝料請求し、社長の妻は相談者の妻に請求するというわけですね。 |
| 弁護士 |
妻と別れたいのか、まだ関係を続けたいのか、裁判に訴えるのかなど、自分がどうしたいのかをよく考えて、決断してください。 |
| 岡野 |
そうですね。ここは一発、ばーんと頑張ってください。 |
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