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Vol.72 『夫婦で浮気

涼子さん(44歳)と、夫である洋介さん(47歳)は、結婚して20年目。 
先月の20回目の結婚記念日には、一人娘を連れて、家族3人でお祝いをしました。 
傍目には、誰が見ても幸せそうな家族だということです。 

ところが、洋介さんの浮気は結婚3年目くらいから始まっていました。 
まだ、幼稚園児だった娘さんの世話で、毎日くたくた、 仕事で帰りが遅い夫を待てずに寝てしまう…という、 
すれ違いの毎日が続いていた朝、 
「夕べも遅かったのね。何時ごろに帰ってきたの?」 
「あれ〜?寝ちゃったんだね、オレ。祐子、帰らなくていいの?」 
「え!?ユウコ? 誰のこと? 何言ってるの?」 

寝ぼけて、夫は浮気相手の名前を呼んでしまったのです。 
その時には、夫がひたすら謝り、すぐに別れると、約束をしました。 
実は、こんな風にあっさりと認めた上での口約束など当てになりませんので、要注意なんです。 

それ以来、夫は帰宅時間も早まり、子どもの相手もよくしてくれるようになり、亭主関白だったのがウソのように変貌しました。 涼子さんは、夫は改心して浮気相手と別れたと思いました。 

ところが7年ほど経ったころ、1通の気になる年賀状が届きました。 
「今年こそ、新しく充実した人生に辿り着きたいです」 
といった名前も知らない女性からのものでした。 
このときに見た夫の表情は、前に浮気がバレたときと同じに見えました。 

そう感じたのに、涼子さんは一切責めたり、別れるように約束させたりはしませんでした。 
すると、数日してから、洋介さんから「結婚記念日だから…」とブランド物のバッグがプレゼントされました。 

これは「浮気を認めたのと同じだ」と涼子さんは思いました。 
その後も、食事に誘ったり、家族旅行を計画したり…と、前回のときと同じでした。 
涼子さんは、“その人とは終わったんだな”と思ったそうですが、妻にバレても、愛人と別れる夫は50%以下なのです。 
妻が何も言わない場合には、別れるのは20%以下になります。 

そして、3年前に決定的な浮気が発覚しました。 
夫の洋介さんが「水〜土曜日まで東北に出張に出かける」と言い、涼子さんは何の疑いもなく、支度を手伝って送り出しました。 
そして、帰宅するはずの土曜日の夕方、旅行会社から電話が入りました。 
「ご家族の方でしょうか?」「はい、家内ですが…」 
「ご主人の乗られるはずだった飛行機が欠航になりまして、日本着は明日になります。 
グァムの上空に低気圧が停滞してしまっているようなのです」 

涼子さんは、「わかりました」とだけ告げました。 
すぐには、事態がよく理解できませんでした。 
東北にいるはずの夫がグァムの天候不良で帰れない…?! 
すると、すぐに洋介さんから電話が入り、「今、仙台なんだけど、学生時代の友達に会っちゃってさ、今夜はソイツん家に泊めてもらって、明日帰るよ」 

もう、追求する気力もありませんでした。 
娘さんの受験に備えて、節約のために家族旅行も控えているときに、こんな裏切りを受けるなんて、考えたくもありませんでした。 
「娘は何も気づいていないようだったので、 
私は何も言わず、仮面をつけたように過ごしました」 

しばらくして、涼子さんの高校の同窓会がありました。 
夫は後ろめたさからか、上機嫌で送り出してくれました。 
久しぶりの昔の友人たちとの再会は、本当に楽しいものでした。 
中でも、高校時代につきあっていた高橋くんとの再会は格別でした。 

彼はバツイチになっていた淋しさも手伝ってか、携帯の番号やアドレスの交換すると、 
毎週のように会うようになりました。 
当然ですが、2人が深い仲になるのに時間はかかりませんでした。 
その関係ももう2年… 
悪いことだと知りつつも、涼子さんは幸せな毎日を過ごしています。 

夫の洋介さんもきっと浮気を続けていると、涼子さんは考えています。 
“きっと私たちは仮面夫婦なんです。 
傍目から見ると、仲のよい夫婦、皆が羨ましがる家族なんです。 
今がベストではありませんが、娘のために波風を立てずに過ごすのが、私の努めだと思っています” 

確かに浮気はよいことではありません。 
でも、子どものためにと我慢をし、犠牲になって、夫に裏切られ続けているよりは、よいのかもしれません。 
ただし、このことは墓場まで持っていく覚悟で、自分の胸にしまっておきましょう。

 
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