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法律知識

2. 調停離婚

(1)調停離婚の流れ

離婚の話し合い

協議が不成立

家庭裁判所への調停の申し立て

調停成立(この日に離婚成立 )
・調停調書の作成

離婚届の作成

役所へ離婚届(報告的届出)
(調停調書謄本添付)の提出

受理

戸籍に離婚の記載
協議離婚をしようと話し合いを持っても離婚の合意ができないとき、または相手が全く話し合いの場を持とうとしないとき、協議離婚は成立しません。その時は、離婚を求める夫婦の一方が申立人となり、他方を相手方として家庭裁判所に離婚調停の申立てを行います。 一刻も早く離婚したいので裁判を、と思っても「調停前置主義」といって、離婚の裁判を起こす前にまず調停での話し合いを経なければなりません。 申立てが受理されると、裁判所が第1回目の調停期日を決定します。第1回目の調停期日は申立人の都合を聞いて決められ決定。すると、家庭裁判所から、調停期日呼出状が相手方に郵送されます。調停は、通常男女各一人の調停委員が、申立人と相手方それぞれの言い分や事情を聞いて問題点を整理したり、今後の調停の方向づけをします。 第2回目の調停期日は、第1回目の調停の席で決まります。その後も同じように、前の調停の席で決められます。 調停期日のスケジュールは、その裁判所の業務状況によりますが、1ヶ月~2ヶ月に1回の割合です。調停を何回か重ねて、申立人と相手方との間で離婚の意思が固まり、取決め事項なども全てまとまると調停離婚の成立ということになります。そこで、調停調書が作成されます。これは、調停委員と裁判官と裁判所書記官が立ち会って作成します。 申立人は、調停成立の日から10日以内に、役所の戸籍課に調停調書の謄本を提出して、調停離婚が成立したことを届け出ます。 調停離婚をした場合には、戸籍謄本には「調停離婚」と記載されます。調停が成立しても、双方が協議離婚を望むならば、決定事項を公正証書(強制執行認諾約款付)にして離婚届を出せば「協議離婚」という記載にすることができます。 調停を何回重ねても、相手方が裁判所に出てこなかったり、双方の意見がどうしても折り合わないと調停不成立となり、裁判離婚の方法をとることになります。 しかし、調停は出ていかないと話が一方的に勧められ不利になることがあります。相手にいかなる不服があろうとも、出ていかなければ調停委員の心象も悪くしますし損をします。

(2)調停離婚の手続きの方法と費用

離婚調停を主張するには、戸籍謄本と住民票を各一通(既に、 別居しており別の住民票となっている場合には、住民票は2通)を添付し、家庭裁判所に設けてある「調停申立書」に簡単な必要事項を記入した後、家庭裁判所の調停受付係へ提出します。 その際に、調停申立書に1200円分の収入印紙を貼り、郵便切手800円分(80円切手10枚)を納めます。 話し合いの結果、協議離婚することになったら、必ず合意の内容を書面化しておくことをお勧めします。

(3)調停離婚の様子

大抵の裁判所において、申立人と相手方の控え室はそれぞれ設けてあり、申立人と相手方が直接話をせず、調停室で調停委員を通しての話し合いが一般的です。 第1回目の調停においては、まず申立人が調停室へ入り、調停員が夫婦生活の状況や調停を申し立てに行き着いた経緯などについて尋ねます。
申立人は、

  • ・ 二人の経歴や結婚した経緯
  • ・ 夫婦生活の変化、夫婦がうまくいかなくなった経緯
  • ・ 離婚を考えた事情
  • ・ 財産について
  • ・ 未成年の子どもの親権者はどちらか
  • ・ 財産分与や慰謝料請求額について、請求額の根拠
  • ・ 未成年の子どもの養育費の額

などについて、できれば書面にまとめて提出するとスムーズに調停が進みます。 次に相手方が調停室に呼ばれます。調停委員が、申立人の話に間違いがないかや、相手方の意思や希望について聞きます。 こうして夫婦が同席をし顔を合わせるがなく、何度か交代で調停委員を通して協議をします。一方が調停室に入室している間は、一方は控え室で待機します。 最後に次回の期日を決めて終了します。全体の所要時間は2時間くらいです。

(4)履行確保とは?

履行確保とは、調停で決定した事項が実現されるように援助をする手続きです。例えば調停で養育費などの請求を認められたにも関わらず、支払わない相手方に対して、 「履行勧告」の申し出を家庭裁判所にします。費用はかかりません。 申し出を受けた裁判所は、調査をして支払いをするよう相手方に促します。 「履行命令」は、家庭裁判所からの「履行勧告」によってもなお養育費などが支払われない場合に、支払いを命ずるというものです。 正当な事由がなく申し渡しに応じない場合は、行政罰(過料)に処せられます。

(5)離婚届不受理申出と手続き

合意なしに、相手が勝手に離婚届を出してしまう不安があるようでしたら、役所に離婚届の不受理申出書を出しておきます。これを出しておけば、相手が勝手に離婚届を出そうとしても、役所では不受理申出書が出されていることを理由に、離婚届を受理しません。 不受理申出書の効力は6ヶ月間です。6ヶ月経過したら、改めて不受理申出書を出さなければなりません。なお、この不受理申出書はいつでも不受理申出取下書を出すことによって撤回することができます。 用紙は役所に備えてあります。必要事項を記入して署名・押印し、夫婦の本籍地、または夫婦の住所のある役所に提出します。住所とは、住民票のある場所だけではなく一時滞在している先でもオーケーです。本籍地以外で不受理申出書を提出した場合でも、本籍地へ連絡がいくようになっています。 不受理申出書を提出した後、離婚届を提出する場合は、不受理申出取下書を提出してからでないと受理されません。

(6)調停における弁護士への依頼は必要か?

ケースバイケースですが、とりあえず第1回目の調停の前に相談だけはしておく方がいいでしょう。 各市区町村や日本司法支援センター(法テラス)では無料相談の受付をしています。急ぎである場合、弁護士会の法律相談や電話帳を確認し、弁護士や法律事務所へ足を運んでもいいかと思います。 通常の相談料は、30分で5,250円が相場です。 調停の代理人に弁護士を依頼するとなると、相談料以外に30万から50万円程度の着手金が必要になりますし、慰謝料などが取れる場合その10%前後の報酬金も支払わなければなりません。 場合によるが、代理人として弁護士が前面に出る必要性が一切ないこともあります。また、弁護士が前面に出ることによって、かえって解決を遅らせることになる場合も考えられます。 調停の段階で弁護士に依頼をした方がいい場合は、

  • ・ 相手方が弁護士を依頼している場合
  • ・ 事実関係、特に離婚を決意するにいたった経過が複雑な場合
  • ・ 調停が不成立で終わることが予想され、裁判を起こす決意が既にある場合
などです。このような場合以外、必ずしも調停で弁護士に依頼をする必要はないでしょう。 また離婚調停(家事事件)は、該当者の出頭が原則です。例外的な事がない限り、弁護士のみの出頭は認められません。
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