浮気をしてしまい、離婚を言われてますが、妻に一切の財産を持ち出され、慰謝料も払えません。
仮名 渡瀬信宏/48歳/会社員
妻の事で御相談があります。
結婚が遅かったので、子どもはまだ8歳です。結婚当初から妻は実家に入り浸り、娘のしつけもいいかげんで、好き勝手な生活をしています。
不満がたまり、浮気をしてしまいました。
それを知った妻は貯金通帳や、印鑑、家の権利書、保険証など一切を持って、実家へ帰ってしまいました。
先日、妻の父親から本人が「離婚を希望している」と告げられました。浮気したので離婚の慰謝料は払う気ですが、妻が全て持っていって手許にはお金がありません。
貯金は一切見せなかったので、幾らあるのかさえわかりません。どうやって払ったらいいのか、御教示ください。
<岡野あつこのメンタルアドバイス>
どうして日本の男性は妻と正面から向き合わないのでしょうか?
不満が言えないからと、安易に浮気に走る。それを妻に知られ、財産をすべて押さえられて離婚を言い渡された。
さて、どうしていいのか分からない。
これを聞いて、情けない気持ちになるのは、私だけでしょうか?
8歳のお子さんの将来を考えて、やり直そうという気持ちはありませんか?「妻が離婚という結論を出したから従う」 というのでは、いままで築き上げてきた家庭の意味まで否定することになります。努力せずに選んだ結果は後悔につながります。 いままでのコミュニケーション不足を補って、新たにやり直すという気持ちで、説得に努めたらどうでしょう。あなたが選んだ女性じゃないですか?
ただし、家庭回復のために一生懸命努力をしても、妻がわかってくれない場合は、あなたの方から離婚という結論を出して話し合いを進めてもいいでしょう。
その際、あくまでも子どものことを考え、どうすることが最良かをよくよく考え、決めた上で話し合いに臨んでください。
そしてこの時のイニシアチブはあなたがしっかり握って頑張ることです。
ご心配の印鑑、権利書、保険証は紛失扱いで作り直すこと。貯金は考えられる(全ての)銀行に確認してみることです。
その上で「払うものは払う、払えぬものは払えぬ」ではっきりするのがいいでしょう。
<弁護士の法律で解決!>
あなたの年齢からして、それなりに貯金はたまっていたのではないでしょうか? 不動産などのローン残金も少なくなっている可能性がありますね。
奥さんが感情的になって、預貯金など一切を持ち出したことを、あなたは非難できる立場にありませんが、
有責配偶者であっても財産分与の権利は主張することができます。まず奥さんが持っていった分を明らかにしてもらい、その半分を戻してもらいましょう。
交渉としては、離婚慰謝料として想定できる金額(事案にもよりますが、300万から1,000万の間に納まるでしょう)が、戻される分与財産の範囲内なら、
離婚慰謝料をそこから差し引き、残りの財産をこちらに戻してもらうことが考えられます。
このことを妻(又はその親族)に丁寧にお話しになり、「持っていった物を明らかにして欲しい」と要求するべきです。
この開示要求に応じないなら、家裁に調停(離婚調停でも円満調整調停でもかまいません)を申し立てるのもやむを得ないでしょう。
あなたが浮気をしたという有責性は消えませんが、奥さんの無責任な子育てや、親離れしなかったことが、夫婦関係に支障をきたしたと言えるなら、主張すべきです。
弁護士を通じてでもいいですし、前述の調停を申し立ててもいいでしょう。自分で要求することに困難を感じるのなら、諦める前に弁護士に相談することを勧めます。
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