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不倫後“責められ続ける”がつらい|再構築がしんどい時の限界線と立て直し方法【メール相談】

「責められ続ける」苦痛と再構築の現実

不倫をした側として、「責められて当然」と頭では分かっている。
けれど、毎日毎日、同じ話を繰り返されて、夜中の三時四時まで人格を否定され続ける――これはもう「償い」ではなく、心身の限界との闘いになってしまいます。

ここでお伝えしたいのは、
「不倫をしたから、どんなに責められても我慢し続けなさい」という話ではないということです。

もちろん、したことの重さから逃げないことは大前提です。
ただ同時に、これから長く続いていく結婚生活の中で、お互いが倒れてしまわない形で「再構築」をしていくことも、同じくらい大切なのです。

このコラムでは、法律的な有利・不利を細かく論じるのではなく、

  • 心のケア
  • 現実の生活を回すための「実務」

この二つをセットにして、「責められ続けて苦しい今をどう乗り切り、これからをどう選ぶか」を一緒に考えていきたいと思います。

そして最後に、あなたが今どこに立っているのか、簡単に自己判定できるように、

  1. 再構築をこのまま続けていく
  2. いったん「検証期間」を置いて見直す
  3. 撤退(別居・離婚)も視野に入れて考える

この三つの選択肢をお渡しします。
読み終えるころには、「私は今、どの段階にいるのか」「次に何をすればいいのか」が、少し見えやすくなっているはずです。

不倫後の再構築で意識すべきこと

不倫後の再構築は、「ごめんなさい」と謝っただけでは進みません。
ただ謝り続けるだけでも、前には進みません。

感情を鎮め、事実を整理し、対話の形を整え、具体的なルールを運用していく。
この一連の流れを、一歩ずつ作っていくことが大切です。

感情の鎮静

責められている側から見ると、相手の怒りは永遠に続くように感じられるかもしれません。
でも、人間の感情は、本来そんなに長時間、高い温度のまま持続できるものではありません。

ところが、夜中の三時四時まで同じ話を続けてしまうと、
傷が癒えるどころか、毎回「新たなケンカ」として積み重なってしまいます。

一度、「話す時間」と「話さない時間」の線を引いてみませんか。

たとえば、
「この話をするのは、週に一回、夜の九時から十時までの一時間にしませんか?」
「それ以上長くなると、お互いの体にも心にも良くないから」

こんなふうに、感情の鎮静のための“枠”を提案することも、償いの一部です。
相手の怒りを否定するのではなく、長期戦に耐えられる形に整えていくのです。

事実の整理

不倫の話し合いでは、いつの間にか「事実」と「想像」がごちゃ混ぜになります。

「本当はこれも嘘なんじゃないか」
「本当はもっと酷いことを隠しているんじゃないか」

疑いが湧くのは自然なことですが、そのままでは永遠に終わりがきません。

一度、紙に書き出して、

  • いつからいつまで
  • どこで会っていたのか
  • 連絡手段は何だったのか
  • 相手とは今どうなっているのか

など、「事実」として話せる範囲を整理してみてください。
苦しい作業ですが、「ここまでは話した」「ここから先は本当にもうない」というラインを、夫婦で共有しておくことが、後の揺り戻しを少し弱めてくれます。

対話の型

怒りと罪悪感だけで話していると、どうしても、

「なんであんなことをしたんだ」
「ごめんなさい、二度としません」

の往復になってしまいます。

再構築で必要なのは、「責める」と「ひたすら謝る」だけの会話から、
「何が足りなかったのか」「これからどうしていくのか」を話し合う対話に、形を変えていくことです。

私はいつも、次のような流れをおすすめしています。

まず、夫の感情をきちんと受け止めること。
「裏切られたと思って、本当に苦しかったよね」「惨めな気持ちになったよね」と、相手の感情に名前をつけてあげること。

そのうえで、こちらの反省と、これからの具体的な行動の約束を伝えること。
「私は〇〇をやめる」「スマホの連絡先はこう整理する」「大事なことは隠さずに共有する」といった、行動レベルの約束です。

気持ちの話と、実務の話。
この二つを同じテーブルに乗せることが、「対話の型」を整える、ということなのです。

※対話の進め方については、参考動画「不倫の後、責められ続ける時にどう立て直すか」でも詳しくお話ししています。

“静かな要請レター”

もし、まだ不倫相手との完全な決別ができていない、あるいは夫が「本当に終わっているのか信用できない」と感じているのであれば、「静かな要請レター」を一度、きちんと形にするのも一つの方法です。

これは、不倫相手に対して感情をぶつける手紙ではなく、

  • もう関係を持たないこと
  • 家庭を尊重して離れてほしいこと
  • 今後の連絡は一切辞退すること

を淡々と伝える一通の文書です。
夫にも内容を見せ、「この一通で区切りをつける」という合意を取ってから送ることで、二人の間に一つの「終わりの証拠」を残すことができます。

これもまた、心と実務をつなぐ大事な一手です。
詳しい書き方や注意点は、動画や別コラムで「静かな要請レター」として解説していますので、そちらも参考になさってください。

連絡・再接触のルール運用

不倫後の再構築でとても大事なのが、「連絡と再接触のルール」です。

もう会わない、連絡しない、という約束をしただけで終わりにせず、

  • どの連絡先を削除するのか
  • SNSのフォローやブロックはどうするのか
  • 同じ職場の場合、業務連絡は何のツールで、どの範囲でするのか

など、現実の生活に落とした具体的なルールを、二人で決めておく必要があります。

ここがあいまいなままだと、夫の不安はいつまでも消えませんし、責める側も「証拠がないのだから信じろ」とは、自分でも言いにくくなってしまいます。

ルールは、決めただけでは意味がありません。
週に一度でもいいので、「今週も守れているか」「運用してみて不都合はないか」を短時間で点検していくことが、「責め続ける」から「一緒に見張る」への第一歩になります。

「しんどい/無理」の線引き|諦める判断基準

ここまでお話ししてきたのは、「再構築したい」という前提での整え方です。
ただ、どんなに努力をしても、どれだけ真剣に謝罪を続けても、「これはもう命や心の安全がもたない」と判断せざるを得ないケースも、現場では実際に存在します。

では、どこに「しんどい」と「本当に無理」の境界線を引けばいいのでしょうか。

ひとつの目安として、次のような状態が続いていないか、自分の生活を振り返ってみてください。

まず、継続的な暴言や威圧、人格否定がやまない状態。
一度や二度ではなく、日常的に「クズ」「低能」「生きている価値がない」といった言葉を浴び続けているとしたら、それはもう“話し合い”の域を超えて、精神的な暴力になってしまいます。

次に、不倫相手との連絡・再接触の約束が破られ続けている場合。
「もう会わない」「連絡しない」と何度約束しても、そのたびに裏切りが発覚する。
この状態が重なっているなら、再構築ではなく、自分の人生を守る方向に舵を切ることも、真剣に検討する必要があります。

さらに、第三者を交えた面談や、期限付き別居などの“検証期間”をおいても、行動が一向に変わらない場合。
専門家や親族を交えて話し合い、ルールを決め、それでもなお、同じことが繰り返されるのであれば、「変わりたい」という意思そのものが弱いと判断せざるを得ません。

そして何より大切なのが、あなたの健康状態です。
眠れない、食べられない、仕事に行けない、家事が手につかない――
こうした状態が三週間以上続き、体重の大きな増減や、病院での治療が必要なレベルになっているなら、それはもう「我慢のしすぎ」のサインです。

不倫をした側だからといって、病気になるまで責められ続けていい、ということにはなりません。
償いと、自分を壊してしまう献身とは、違います。

よくある質問

ここで、似たような状況の方から、よくいただく質問にも触れておきます。

「不倫の再構築が失敗する典型パターンって、ありますか?」

この問いに対して、私がいつもお話しするのは、大きく三つです。

一つ目は、感情だけで動いてしまうこと。
怒りと罪悪感だけで話し合いを続け、具体的なルールづくりや生活の見直しにまで手が回らないケースです。
気持ちはぶつけ合っているのに、実務が何も変わっていないので、同じことが何度も繰り返されてしまいます。

二つ目は、「運用」がないこと。
ルールを決めただけで安心してしまい、運用と点検をしない。
「決めたよね」で終わってしまうと、約束はあっという間に形骸化します。

三つ目は、約束の曖昧さです。
「もうしないようにする」「これからはちゃんとする」といった、ふんわりした約束だけで終わっていると、お互いに後から「そんなつもりじゃなかった」という解釈のズレが生まれてしまいます。

「無理だ、と感じたらどうしたらいいでしょうか?」

この質問に対しては、いきなり離婚届を書きに行くのではなく、まず「期限付き別居」という選択肢をお勧めしています。

たとえば三週間、あるいは三か月。
期間を決めて、物理的な距離を取り、その間の自分の心と体、生活費の出入り、相手の行動を、数字と事実で観察してみるのです。

感情だけで「もうダメだ」と判断するのではなく、
実際に離れてみたときの楽さ・寂しさ・不安・お金の現実を、一度体感してから決めた方が、後悔が少なくなります。

「ずっと責められるのがつらいとき、どこを頼ればいいですか?」

家族や友人に話せない方も多く、「誰にも言えないまま限界まで来てしまった」というケースもよくあります。

そんなときこそ、専門家や第三者面談の出番です。

夫婦二人だけで話すと、どうしても感情が暴走してしまうところを、
第三者が入ることで、「今はこのテーマだけに絞りましょう」と整理してもらえる。
「今日はここまでにして、続きは次回」と、時間の区切りを一緒に作ってもらえる。

それだけでも、「責め続けられる地獄感」は大きく和らぐことがあります。

参考動画

不倫の後、「責められ続ける」状況からどう立て直すかについては、動画でも詳しくお話ししています。

「不倫の後、責められ続ける時にどう立て直すか」

謝罪や対話のコツは、ショート動画でもぎゅっとまとめています。

ショート:謝罪と対話のコツ(30秒)

レターの書き方や対話の型の章の最後に、これらの動画へのリンクを置いていただくと、読者の方が行動に移しやすくなると思います。

まとめと、あなたへの三つの選択肢

ここまで読み進めてくださったあなたは、きっと今、
「もう少し頑張るべきなのか」
「それとも、どこかで線を引くべきなのか」
揺れながら考えておられるのだと思います。

最後に、最初にお約束した「三つの選択肢」を、改めてお渡しします。

ひとつ目は、このまま再構築を続ける、という選択。
ただしそれは、「今までと同じ形で我慢し続ける」という意味ではありません。
話す時間とルールを決め、手紙で思いを伝え、連絡ルールを整えていく。
心と実務の両方を使って、再構築を「仕組み」として回していくということです。

ふたつ目は、「検証期間」を置くという選択。
期限付き別居や家庭内別居など、距離を取りながら、数字と行動で、もう一度この結婚を見直してみる。
感情だけでなく、体調やお金の出入り、相手の態度の変化を観察しながら、「続けるのか」「撤退するのか」を判断していく方法です。

みっつ目は、撤退も視野に入れるという選択。
どれだけ誠意を尽くしても、暴言や人格否定が止まらない。
健康が壊れかけている。
そういった場合には、自分の命と尊厳を守るために、別居や離婚を現実的な逃げ道として確保しておくことも、大切な自己防衛です。

どの選択肢が「正解」ということはありません。
大事なのは、
「自分は何も選べない被害者だ」と感じ続けるのではなく、
「怖くても、苦しくても、私は自分の人生を選んでいい」と、少しずつ自分の手に舵を取り戻していくことです。

不倫をしたからといって、あなたが価値のない人間になったわけではありません。
間違いは間違いとして受け止め、償いながらも、
それでもなお「これからどう生きていくか」を選ぶ権利は、誰にでもあります。

どうか、ここで諦めてしまわないでください。
一人で抱えきれないと感じたら、専門家や第三者の力も借りながら、
あなた自身の幸せと、これからの人生を、もう一度見つめ直してみてくださいね。

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