夫の不貞行為を知った妻|証拠・離婚のリアルと相談事例に学ぶ“心の整理”
夫の不貞行為を知った瞬間、頭が真っ白になり、心臓だけが速く打つ——。
SNSやLINEのやり取り、レシートや位置情報の小さな違和感がつながって「まさか」が現実になると、怒り・混乱・自己否定が一気に押し寄せ、「何から手をつければいいの?」と立ちすくんでしまうのは当然です。
本記事では、実際の相談事例と岡野あつこ先生(夫婦問題研究家)のカウンセリングメソッドをもとに、最初に優先すべき心身の安全確保と事実の記録方法から、離婚・別居・再構築それぞれの現実的ステップまでを、順を追って整理します。
ここでの「理解」は相手を許すことではなく、あなたを守るための地図を描くこと。感情で消耗しきる前に、初動の整え方、第三者への相談の使い方、そして慰謝料・婚姻費用・子どもの生活動線など“生活に直結する論点”を、実務目線でわかりやすく解説していきます。
相談内容
夫34歳 、妻(私)29歳 、共働きです。子どももなく、持ち家、車等のローンもありません。
結婚して1年4ヶ月。性格の不一致などから10ヶ月前より、私から離婚をしたいと言っていますが、離婚には応じず、どうしても離婚するなら、夫の親に土下座をするようにと言われました。
一方で、夫は結婚する前にから今までに至るまで複数の女性と連絡をとり、食事等に行っていることが最近発覚しました。そのうちの1人とは不貞行為をしていると読み取れるLINEのトーク履歴、卑猥なやりとりの画像を掴みました。
スムーズに離婚したいのですが、どのようすればよいでしょうか?
できれば、不貞をしておきながら、私に理不尽な事をいう夫に制裁を与えたいですし、
可能であれば慰謝料を請求したいのですが。
よろしくお願いします。
アドバイス
今まで辛い思いを一人で抱え大変でしたね。
どうしても離婚をしたい、と思うまで心が凍えてしまったのですね。
夫の不貞を知ってしまったときの気持ちはとてもよくわかります。
本当にショックだったことでしょう。
あなたの問題は、性格の不一致などから年初より離婚を持ちかけるが、夫が離婚には応じてくれない。
離婚をスムーズにし、尚且つ自分の理想の形で完了したいということですね。
それにしても、土下座をしろとは・・・。
夫こそ不貞しているのですからしたとしても、あなたではないと私は思います。
大変申し訳ありませんが、内容の詳細が不明なため確実なアドバイスが難しいことお許し下さい。
話の内容から離婚をしたいということのようですが、修復の気持ちは全くないのでしょうか。結婚生活はまだ1年半未満ということですね。
夫婦生活はその間はどうだったのでしょうか?
家はローンなし?借家ということなのでしょうか。
あなたはお仕事はされているんでしょうか?
もし離婚となった場合、住む場所はあるんでしょうか。
離婚を決める場合、まず生活がその後もできるのかを考えないといけません。
そこが確保できていないと、せっかく離婚をしても幸せにはなれないからです。
あなたの離婚したい気持ちはとてもよくわかります。
ですが、感情だけで離婚をしてしまうと後悔することにもなりかねませんので、ここはきちんと考えて計画を持って離婚を遂行させていきましょう。
離婚ができる条件
①収入があること。もしくは実家などがサキ様を受け入れる(金銭面も面倒みてくれる)ことが可能。
②家を借りることができる。もしくは実家に住むことが可能。
ご夫妻にはお子様がいらっしゃらないので、 この2点が最低限今すぐ離婚できる条件になります。
もし収入がないのであれば、今から働いて収入を得られる環境になっていないと難しいです。
慰謝料でどうにかする、という考えは現実的ではありません。
慰謝料を今後もらえたとしても、これは別で考えておかないと危険です。
申し訳ございませんがこの部分については、いただいたメールからは不明のため、ここでは条件が満たしていると仮定して話を進めさせていただきます。
協議か調停かいずれにせよ、まず離婚をするためには別居はポイントになると思います。
離婚の調停を起こしても同居している場合は、夫婦生活が破綻しているとみなされることは、なかなか難しいようです。相手が離婚に応じなくても、やはりあなたは家を出て別居なさることが必要かと思います。
そして、協議でしたら夫との二者間で話し合うか、弁護士に依頼して進めるかになります。
調停でしたら、申し立てるには、特に弁護士を雇う必要はなく、数千円程度で申し立てが可能です。場所は相手の住民票があるところの家庭裁判所に申し立てるところからはじまります。(詳しいことは家庭裁判所のHPをご覧ください)
ご自身の思いを出来るだけ通して離婚するには、何もせずに、は無理だということはお分かりかと思います。離婚には、準備を整え、戦略を練って行動することが必要です。
また、離婚にあたっての優先順位の「②夫に制裁を与えたい」ということも、メールでは想像ができかねますので、もしよろしければ一度面談にいらっしゃいませんか?
ベテランのカウンセラーが諸事情を伺い、調停離婚のことをはじめ、色々お話できると思います。今回のメールでは条件を満たしていると仮定いたしましたが、もし条件が満たしていない場合でしたら、なおさら今回とは違ったアドバイスになりますので、一度ご検討いただければと思います。
辛い決断も、色々な迷いも私たちは応援いたしますので、是非がんばってくださいね。
辛い中、メールを下さりありがとうございました。
まず優先すること:安全・健康・子供
まずはこの3つを優先しましょう。
1)安全(最優先)
- 暴力・脅し・経済封鎖(生活費停止・カード没収等)がある場合は、ためらわずに公的相談・警察・医療を最優先に。
- 連絡はテキストで残し、対立しそうな場面は距離を取る/第三者同席を徹底。
避難先(実家・ホテル・一時保護)の候補と行き方、持ち出し最低限(身分証・保険証・通帳/カード・常用薬・充電器)を準備。
2)健康(からだと心の土台)
- 睡眠・食欲の著しい低下、動悸・めまいなどが出たら、我慢せず**医療(内科・心療内科等)へ。
- 最初の数日は「90分×2回の仮眠でもOK」「水分+軽食(おにぎり・ヨーグルト)」など、できる形で回復を。
- 情報収集や追及は一旦ストップ。深夜のSNS・長電話は控える(疲労を増やさない)。
3)子供(安心の維持)
- 子どもには不貞の内容は話さない。年齢に合わせて「大人の問題を整える時間が少しいる」とだけ説明。
- 日課(睡眠・食事・学校)を崩さないことが第一。
- 担任・学童の連絡先を控え、必要時に相談できる体制を確保。
まずやることは3つだけです。眠る/食べる/話す(味方1人に状況を一言共有)
体勢が整ってから、次のステップ(相談先・法的確認・今後の方針)へ進めば十分です。
事実と感情を分けて整理する”心の整理”
混乱のときは、感情と事実が絡み合って判断がぶれます。まずは感情ノートをつくり、怒り・悲しみ・恐怖をそのまま言葉にして短時間で書き出してください。整えようとせず、「怒りは10/10、胸が苦しい」「裏切られたと感じる」など、生の表現で十分です。誰にも見せない前提で“吐き出す場所”にします。
次に、事実のメモは別に分け、日付・時刻・場所・相手名(仮名で可)・起きた出来事・証拠の所在を時系列で淡々と記します。たとえば「2025/01/12 21:15 自宅/Xさん(仮)からのDM通知/スクショはiPhone写真No.1325」のように、推測や評価は入れません。後で見返したときに検索しやすい形を心がけましょう。
そして、「私が悪いから起きた」という結論に飛びつくのは、危機時に出やすい思考のクセです。起きたのは“行為という事実”であり、あなたの“人としての価値”とは別物。感情は感情、事実は事実——この線引きが、次の一手(休む・水分をとる・スクショを保存する)を落ち着いて選べる土台になります。
証拠の扱い方と注意点
「何が、いつ、どこで、どう起きたか」を客観的に示す記録は、後の話し合い・専門相談・法的手続きで大きな助けになります。基本は、自分が正当にアクセスできる情報を、取得時点のまま保存すること。改変や過度な追及より、静かに集めて・残して・守るが原則です。
有効になりやすいのは、領収書・クレジット明細・予約(宿泊/飲食/交通)履歴・位置情報ログ・端末のスクリーンショット・時系列メモ・探偵の報告書(適法な調査に限る)など、日時と行為が結び付く客観資料です。スクショは通知バーの時刻が入るように撮り、原本データはクラウドと外部媒体に二重保管、印刷する際は原本ファイル名や撮影日時を控えておきましょう。メールやメッセージは削除せず、フォルダ分けに留めると安全です。
一方で、盗聴器の設置、無断GPSの取り付け・位置追跡、他人アカウントへの不正ログイン(パスワード窃用)、勝手な端末解析といった行為は違法になり得ます。証拠としての価値どころか、あなたが責任を問われるリスクがあります。共同名義や家族端末でも、利用権限が曖昧なアクセスは避けるのが賢明です。
証拠の取り扱いは地域の法制度や個別事情で判断が分かれます。迷ったら独断で進めず、弁護士や公的窓口に早めに相談してください。大切なのは、感情で動かず、合法・安全・原本保持の3点を徹底することです。
夫への対応・会話術
まず、ここまで気持ちを押し殺して過ごされてきたこと、本当にお疲れさまでした。
夫婦の話し合いは「責め合い」ではなく「現実を整える時間」に変えていきましょう。
ここでは、感情をぶつけずに事実とこれからの生活を話し合うための方法を紹介します。
話す前に整える
・テーマを1つに絞る(例:「事実の確認」or「これからのルール作り」)
・短くメモにまとめてから話す
・子どものいない静かな時間に、45分以内で区切る
話し方の基本(冷静+具体+短く)
「〇月〇日に見たLINEの内容について、事実を確認したいです。
どういう経緯だったのか、あなたの言葉で聞かせてください。」
感情を抑えることではなく、「整理して伝える」ことを意識します。
「あなたが悪い」ではなく、「私はこう感じた」「こうしたい」と主語を自分に。
話がぶつかりそうになったら
「今日は結論を出すよりも、まず事実を整理したいだけです。」
「今は怒りよりも、これからどう暮らすかを考えたいです。」
少し間を置く言葉を入れるだけで、相手の防衛反応が和らぎます。
合意を“書いて見える化”
会話で決めたことは、簡単でもいいので紙に書いて残しましょう。
・もう会わない/連絡を取らない
・家計と予定を共有する
・月1回、家庭の話し合いをする
署名をもらうのが理想ですが、まずはお互いの“覚え書き”からで十分です。
それでも話が止まる時は
責め合うよりも「第三者と話し合う日」を決めてください。
家庭裁判所の調停でも、カウンセラー同席の面談でも構いません。
ひとりで背負いこまないことが、最初の回復です。
選択肢の比較——向き・不向きのサイン
再構築に向くサイン
謝罪と再発防止計画がある/金銭・連絡の透明化に合意/第三者同席に応じる。
別居に向くサイン
口約束が続く/責任転嫁・怒号・経済封鎖/子どもが緊張している。
離婚に向くサイン
複数回・長期・悪質/相手家族も巻き込む/安全が脅かされている。
判断は「安全→家計→子ども→気持ち」の順で。
第三者の使い分けとタイミング
カウンセラー=心の整理と境界線の設計。
弁護士=慰謝料請求・協議書・面会ルール。
探偵=証拠確保の最終段階に。
まずカウンセリングで状況を整理し、次に証拠保全→弁護士相談の順。
よくある落とし穴
SNSでの投稿や告発、相手家族への直接連絡は逆効果。
感情のままに転職・転校も避けましょう。
短期のスッキリが長期の不利益になるケースが多いです。
【まとめ】夫の不貞行為に対しては初動の3本柱で対処を
夫 不貞行為を知った直後は、怒りや混乱が先に立ちます。だからこそ最初の72時間は「決断しない」を合言葉に、①安全と健康と子どもを最優先(睡眠・食事・学校の維持/危険があれば公的相談・医療へ)→ ②事実と感情を分けて記録(感情は感情ノートへ、事実は日時・場所・相手名・証拠の所在を時系列で)→ ③合法的な証拠確保(領収書・予約履歴・位置情報・スクショ・探偵報告書等/盗聴・無断GPS・不正アクセスはNG)という初動の3本柱で体勢を整えましょう。
そのうえで、今後の道は再構築/別居/離婚のいずれであっても、段階を踏んで進めるのが現実的です。家計(婚姻費用・養育費)や慰謝料の可能性は個別事情で判断が分かるため、早期に専門家(弁護士・公的窓口・カウンセラー)へつなぐことが最短ルート。ここでの「理解」は相手を許すことではなく、あなたを守るための地図を描くことです。
最後に——あなたが悪いから起きたわけではありません。小さな一手(眠る/食べる/話す/記録する)を積み上げるほど、視界はクリアになります。夫の不貞行為に揺れる心と生活を守るために、今日できる最小の行動から始めましょう。
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