「最近、夫婦の関係に少しずつ距離を感じるようになった」
そんな繊細な違和感を抱えている方へ。

セックスレスは、決して特別な悩みではなく、多くの夫婦が静かに向き合っている課題です。
あなた一人の悩みではないと知って、まずは少しほっとしませんか？

セックスレスは「夫婦の愛情の終わり」ではなく、「もう一度向き合うチャンス」でもあります。

本記事が夫婦の関係を見つめ直すきっかけとなればと思い、セックスレスの原因や背景、解消法などについてお伝えできればと思います。

1.セックスレスとは？原因や影響

(1)セックスレスの定義と実情

結論から言えば、「セックスレス」とは一定期間性交渉がない状態を指しますが、実際にはその“期間”の捉え方に差があります。

厚生労働省の調査や日本性科学会の報告によると、「1ヶ月以上性交渉がない状態」がセックスレスの目安とされています。

ただし、これは絶対的な定義ではなく、当事者の“意識のズレ”が問題を深刻化させる要因ともなります。

たとえば、「相手は気にしていないのに、自分だけが疎外感を抱えている」といったケースも少なくありません。

特に子育て世代や共働き世帯では、疲労や忙しさが日常に追われる中でスキンシップが後回しになり、結果として長期間にわたって性行為が行われないことが増えています。

つまり、セックスレスとは単に行為の有無ではなく、心のすれ違いが形になって表れる状態といえるでしょう。

(1)セックスレスの原因【妻】

• 育児や家事、仕事による疲労
• 性欲の減退
• 年齢的な要因やライフステージの変化

(2)セックスレスの原因【夫】

• 仕事の疲れやストレス
• 性的欲求の減少
• パートナーへの関心の変化

これらの原因により、セックスレスが強まる傾向があります。

セックスレスは、夫婦のコミュニケーションを減少させ、感情的な距離を広げてしまいます。結果、夫婦関係が破綻したり、不倫・不貞行為が起きたりします。

最近は性生活無しで良好な関係を築く夫婦もいますが、そういう夫婦は自分たちの性生活について話し合いができているので夫婦仲が破綻しているとは言えません。

ここからは、セックスレスの定義や年代別の性への価値観についてお話してみたいと思います。

また、セックスレスが招く不倫問題に関しては、コチラの記事にて事例を用いてお伝えしています。

セックスレスで夫が不倫…離婚したいと言われどうするべき？対処と再構築の方法

2.セックスレスの主な原因

ここからは、セックスレスの男性側の原因と女性側の原因について解説します。

(1)年代によって異なるセックスレスの理由

セックスレスは、どの年代でも起こり得る問題ですが、その背景にはライフステージに応じた“理由の違い”があります。

年代別に見ていくと、それぞれの世代ならではの葛藤や生活環境が、性の在り方に大きく影響していることが分かります。

①20代：価値観や性欲のズレが原因に

結婚や同棲を始めたばかりの20代では、「交際中は頻繁にあったのに、生活を共にするようになったら激減した」というケースが多く見られます。

その背景には、性欲の差・羞恥心・相手との価値観の違いがあります。特に、性行為に対する考え方がすり合わせられていないことが、すれ違いの引き金になるのです。

②30代：仕事・育児・体力低下が大きく影響

仕事と家庭の両立、子育ての最中という多忙なライフステージにある30代は、心身の疲労が最大のネックになります。

「夜はぐったりでそんな気にならない」「パートナーに手を伸ばす余裕がない」といった悩みが日常的。

また、産後のホルモンバランスや体の変化により、性に対する関心が一時的に薄れることも少なくありません。

③40代〜：更年期や“心の距離”が障壁に

40代に入ると、男性・女性ともに更年期の症状が現れはじめ、性欲や体調の変化が顕著になります。

加えて、「長年一緒にいるからこそ恥ずかしい」「今さら誘うのも気まずい」という感情的な壁が立ちはだかります。

中には、“家庭内別居状態”に陥り、スキンシップどころか会話すら減っている夫婦も珍しくありません。

このように、年齢ごとにレスの背景には異なるリアルな事情が存在します。
だからこそ、相手のライフステージを理解しながら向き合う姿勢が求められるのです。

(2)男性が感じるセックスレスの原因と心理

まず男性側の視点から見ていくと、「誘いたいけれど拒否されるのが怖い」という心理的なブロックが大きく影響しています。

多くの男性は「性行為を望んでいる自分」をどう伝えていいかわからず、結果として何も言わずに我慢を続けてしまう傾向があります。

その背景には、「しつこいと思われたくない」「拒絶されたときのショックが怖い」といった思いや、パートナーへの配慮のつもりで黙っているケースも多く見られます。

また、仕事のストレスや年齢による性欲の低下も無視できません。とくに40代以降になると、性に関する自己肯定感の低下が、誘う気力そのものを奪ってしまうことがあります。

つまり、男性にとってのセックスレスの原因は、単なる欲求の問題ではなく、「断られることへの恐れ」と「自信の喪失」が大きなキーワードと言えるでしょう。

(3)女性が感じるセックスレスの原因と心理

女性にとってのセックスレスの原因は、心理的・身体的な要因が複雑に絡み合っていることが特徴です。

まず大きいのは、「心が通っていないと身体も開けない」という感覚。

 多くの女性は、性行為を“感情の延長線上にあるもの”として捉えており、日常の会話が少ない・思いやりを感じないといった状態では、自然と性への気持ちも遠ざかっていきます。

また、出産や育児に伴う体調変化、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、そして育児・家事のワンオペ負担など、心身ともに余裕を失いやすい環境が多くの家庭で見られます。

さらに、「自分の体型が変わったことで自信をなくした」「性的な対象として見られたくない」といった気持ちも、無意識のうちに拒否感を生んでいる場合もあります。

つまり、女性にとってセックスレスの背景には、“精神的な安心感”と“自尊心”の揺らぎがあり、「単に誘われるかどうか」ではなく、どう接してくれているかが大きな決め手となるのです。

3.セックスレスを解消したリアルなきっかけ

ここからは、セックスレスが解消されたリアルなきっかけについて解説します。

(1)会話からセックスレスが解消された例

「私たち、最近どうしてるんだろうね――」

そんな一言が、長く続いた沈黙を破るきっかけになったという方がいます。

夫婦の関係性は、日々の積み重ねによって築かれていくものですが、セックスレスが続くと、“どこから話していいか分からない”空気が漂いはじめます。

ある40代女性は、あえてリビングでゆっくりできる夜に「正直に話したいことがあるの」と切り出しました。

パートナーも内心では同じように悩んでいたことが分かり、話すことで「自分だけじゃなかった」と感じられたことが、再接近の第一歩になったと語っています。

(2)スキンシップからセックスレスが解消された例

いきなり性行為を求めるのではなく、「手をつなぐ」「肩に触れる」「一緒に寝る」といった日常的なスキンシップを意識して増やすことで、関係が和らいだというケースも多く見られます。

特に出産後、夫婦関係が希薄になったと感じていた30代の夫婦では、妻が「今日は手だけでもつないで寝よう」と提案したことから、徐々にお互いの“温度”を感じられるようになったといいます。

スキンシップは、安心感や愛情を可視化する行動でもあります。

相手の存在を再認識することで、自然と“性”への抵抗も薄れていったそうです。

(3)環境を変えてセックスレスが解消された例

なかには、「旅行に行った」「週末だけ別室で過ごした」といった環境の変化を取り入れることで、関係に変化が生まれたという声もあります。

特に40代以降の夫婦では、毎日のルーティンに慣れきってしまい、お互いを“異性”として見られなくなっているという実感があります。

その中で、非日常の空間に身を置いたことで「改めて相手を異性として意識した」という方も少なくありません。

このように、「きっかけ」は小さな行動でも十分です。大切なのは、“もう一度向き合おう”という意志を示すことにあるのです。

4.セックスレスの解消に向けたアプローチ方法

セックスレスを解消するために有効なアプローチ方法は、以下の3つです。

• 会話術
• スキンシップ
• 外部のサポートを活用する

セックスレス解消のアプローチ(1)会話術

セックスに関する話題は、とてもデリケート。

しかし、避け続けることこそが問題の根深さを助長してしまいます。

だからこそ、「どう話すか」には慎重さと誠意が必要です。

まず大切なのは、相手を責めるのではなく、“自分の気持ち”として伝えること。

たとえば、「最近寂しいなと感じることがあるんだけど…」というように、“感情”にフォーカスして言葉を選ぶと、相手も受け入れやすくなります。

さらに、話すタイミングも重要です。

寝る前やお互いが疲れている時ではなく、週末のリラックスした時間や、食事のあとなどが理想的。

そして一方的に話すのではなく、「あなたはどう思ってる？」と問いかけて対話を促す姿勢が信頼を築きます。

セックスは、関係性のひとつの側面にすぎません。

「より良いパートナーでいたいから話したい」――そのスタンスが伝われば、相手の心も少しずつ開かれていくはずです。

セックスレス解消のアプローチ(2)スキンシップを増やす

セックスレスの改善に向けて、いきなり本題に入るのではなく、「スキンシップの回復」からスタートするのが効果的です。

なぜなら、スキンシップは“性”に直結しない、安心感や信頼を再構築する行動だからです。

「最近、手をつないだのはいつだったか思い出せない」

そんな方は、まず以下のような“肌の触れ合い”を日常に取り入れてみてください。

①日常でできるスキンシップの例

• 朝の「おはよう」の握手や軽いハグ
  
• ソファで隣に座るとき、自然に手や足が触れる距離に
  
• 夜、一緒にテレビを観ながら肩に寄りかかる
  
• 食事中、ふとしたときに手を添えてみる
  
• 寝る前の「おやすみ」の軽いキスや手をつなぐ

これらはどれも、相手に“安心”や“愛情”を伝えるサインです。

特に長年連れ添った夫婦にとっては、「あえて改めて触れる」ことにこそ価値があります。

スキンシップは、セックスレスの“入口”ではなく、関係修復の土台となる行動です。

「触れたい」と思えるようになるまでの時間も含めて、夫婦の歩調を大切にしていきましょう。

セックスレス解消のアプローチ(3)外部のサポートや相談先の活用

「二人だけでは解決できそうにない…」と感じたとき、第三者の力を借りることは決して恥ずかしいことではありません。

近年は、セックスレスや夫婦関係に関するカウンセリングを専門に行う機関も増えており、中立的な立場の専門家が間に入ることで、互いの本音を安心して共有できる場が整います。

とくに、以下のようなサポートが有効です。

①代表的な相談先・サポート手段

• 夫婦カウンセリング：性に限らず、夫婦全体のコミュニケーションにアプローチ
  
• セックスカウンセラー・性教育アドバイザー：性に関する具体的な悩みに対応
  
• オンライン相談サービス：匿名・チャット・通話など気軽な形式で相談可能
  
• 自己理解を深める書籍やワークブック：夫婦で一緒に取り組むことで対話のきっかけに
  

プロの力を借りることで、「もう無理かもしれない」と思っていた関係も、新たな視点と冷静な対話によって修復の糸口が見えてくることがあります。

「誰かに頼る」という選択は、諦めではなく、“関係を諦めたくない”という強い意志の現れでもあるのです。

5.よくある質問と不安の声に答えます【FAQ】

(1)何ヶ月しなかったらセックスレス？

一般的には、「1ヶ月以上性行為がない状態」がセックスレスの基準とされています。

これは日本性科学会の定義によるもので、実際のカウンセリング現場でも目安とされることが多いです。

ただし重要なのは、「期間」よりも当事者の間でどう感じているか。

「半年なくても問題ない」と感じている夫婦もいれば、「1ヶ月空いただけで不安になる」という方もいます。

“回数”にとらわれるよりも、「お互いが満足しているかどうか」を軸に考えることが大切です。

(2)性行為をしたくない女性は多いの？

はい、一定数存在します。

とくに出産・育児を経験した女性や、パートナーとの心のつながりが薄れていると感じている場合、性的接触に抵抗を感じることがあります。

また、ホルモンバランスの変化や、過去のトラウマ、セックスに対する価値観の違いなども影響します。

無理に迫るのではなく、心のケアや安心感の醸成が先決です。

一人で抱え込まず、専門家に相談するのも選択肢のひとつです。

(3)30代夫婦の平均回数は？

日本の調査によると、30代夫婦の性行為の平均回数は月1〜2回程度とされています。

ただし、共働き・育児・仕事のストレスなどにより、実際には月1回未満の家庭も少なくありません。

「うちは少ないのでは？」と不安に思うかもしれませんが、回数の多寡よりも“お互いが納得しているか”がポイント。

夫婦それぞれの価値観やライフスタイルに合った距離感を見つけることが大切です。

まとめ：セックスレスの解消は話し合いから

セックスレスは、「よくあること」として見過ごされがちな問題ですが、夫婦の絆に深く関わる、非常に繊細なテーマです。

そして多くの場合、その根底には「話し合えていない」というすれ違いがあります。

関係を修復するために特別なテクニックや劇的な変化が必要なわけではありません。

「あなたのことを大切に思っている」「もう一度ちゃんと向き合いたい」―― その気持ちを、言葉にして伝えることこそが、第一歩となります。

いま少し勇気を出して、対話を始めてみませんか？

ほんの少しの歩み寄りが、ふたりの関係をもう一度あたたかいものに変えていくきっかけになるかもしれません。

「夫婦関係を修復したい」「でも、どう話せばいいかわからない」――
そんなとき、専門的な第三者の存在は大きな支えになります。

岡野あつこの離婚相談救急隊では、離婚だけでなく、セックスレスや家庭内の心のすれ違いに関する相談も多数寄せられています。
豊富なカウンセリング実績と、夫婦問題に特化したアドバイス体制が整っており、
「もう一度向き合いたい」「離婚は避けたい」という方に向けたサポートが充実しています。

問題を抱えたまま日々を過ごすよりも、一歩外に助けを求めることで道が拓けることがあります。
あなたの気持ちに寄り添い、後悔のない選択ができるよう、専門家と一緒に考えてみませんか？

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具体的なプランや料金は、「料金表」のページでご確認のうえ、お気軽にお尋ねください。

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